宮崎県工業技術センター

製品に混入した微小異物の分析

 自社製品に混入した異物の正体を調べたいとの相談が寄せられた。FT-IR顕微鏡及び電界放出形分析電子顕微鏡による観察・分析の結果、異物の正体が繊維強化プラスチックであるとの推定に至り、相談者の製造ラインの見直しに貢献できた。

課題について

 相談者は、異物の正体解明及び製造ラインの見直しを客先から求められていたが、社内に解析できる手段がなく、対応に困っていた。

対応・結果について

 当方にて異物を預かり、まずFT-IR顕微鏡で分析した結果、エポキシ樹脂が主成分であることと、同定不能なケイ酸塩らしき無機物が含まれていることを確認した。さらに、電界放出形分析電子顕微鏡観察による観察・分析の結果、異物の中に細かい繊維状物質が多数埋没していることが分かり、この繊維状物質からケイ素と酸素が検出された。以上の結果から、異物はガラス繊維で強化されたエポキシ樹脂の可能性が高いことが示唆された。

(材料開発部)

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